おてがみぼっくす

モラトリアムの終結

師匠について③

師匠について②のつづき

 

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はじめて彼に会ったのは、2つの変化のあと。
冬に知り合い、東北の最北端で桜が開花する頃、彼は関東から来てくれました。

とある田舎の駅で合流した私たちは、電車に乗り、日本一と言われる桜祭りの会場に向かいました。

彼は何でも全身で表現しました。言語も身体もいっぱいに使って。
嬉しい時には両手を広げ、春風の空気を浴びる時には心地よさそうに上を向き、屋台で買ったホットドッグを口いっぱいに頬張り。

私は隣にいる彼を見て、

(なんて豊かな感情表現をする人なんだ)

とただただ見惚れていました。

そして、その美しい感性と心に惹かれ、告白し、一瞬で玉砕しました。

「俺は元カノが一生好きなんだ」

という彼には一点の迷いもありまんでした。
私は彼の潔白さに驚愕しました。
玉砕したショックすら感じないほどに、彼の心の美しさに惹かれていたのです。

その後も何事もなかったように2人で街を歩き、談笑し、また会おうねと約束して別れました。

これが、4年前の5月の桜祭りのお話です。
彼と次に再会できたのは、同年6月の末のことでした。


つづく